睡眠時無呼吸症候群の症状・診断・治療
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睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も無呼吸になったり、低酸素状態になってしまう病気です。
重度になると睡眠の状態を悪化させるだけでなく、日中の眠気がひどくなり、仕事や日常生活にも支障が出るようになります。
心臓への負担も増えてしまい、重篤な病気に繋がる可能性があるので、無呼吸の改善が必要です。
「いびき」はなかなか自分ではわからず、周囲も積極的には教えてくれることは少ないです。
肥満傾向の方はもちろんのこと、痩せている方でも疑ってみることが大切で、最近は睡眠状態を把握するサプリなどもありますので活用してください。
睡眠時無呼吸症候群には2つのタイプがある
睡眠時無呼吸症候群には、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(O-SAS)」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群(C-SAS)」の2種類のタイプがあります。
この疾患の大部分は「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(O-SAS)」であり、空気の通り道が狭くなることで、無呼吸になるという病気です。
とくに、喉が狭くなることが多いといわれています。
その一方で、「中枢性睡眠時無呼吸症候群(C-SAS)」は、脳幹にある呼吸中枢の問題で、うまく呼吸ができなくなっている状態が原因となる病気です。
そのため、脳や脊髄・心臓の病気がある方に発症しやすくなります。
また稀ですが、呼吸を抑制する作用の薬を服用している方に認められることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状は以下の通りです。
- いびき
- 睡眠中に呼吸が止まることがある(無呼吸)
- 夜中に目が覚めてしまう
- 日中の眠気
- 常に倦怠感やだるさがある
睡眠中にいびきをかくのは、気道が狭くなっている証拠です。
10秒間ほど呼吸が止まり、再びいびきをかくという方は、睡眠時無呼吸症候群が疑わしいでしょう。
重度の方は、睡眠中に上手く体が休まらず、日中に我慢できないほどの眠気に襲われることもあるので、運転などの仕事をしている方は注意が必要です。
さらに、睡眠中に低酸素状態となり、体が異常事態と認識して夜中に目が覚めてしまうこともあります。
低酸素状態が続けば心臓に負担がかかり、睡眠中も心臓が激しく働くので、心不全を併発しやすいです。
心臓が低酸素状態を改善しきれなかった場合、心筋梗塞や不整脈、脳卒中などの致命的な病気のリスクとなります。
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群の検査は簡易検査から行い、検査結果を踏まえた上で、より詳しい検査を行うのが一般的です。
では、4種類の検査方法をそれぞれ詳しくみていきましょう。
簡易睡眠時無呼吸検査-アプノモニター
アプノモニター(簡易睡眠時呼吸検知装置)は、自宅でもできる簡易検査です。
この検査は就寝前に下記の機械を取り付けます。
②鼻にカニューレを装着
「SpO2プローブ」は睡眠中に低酸素状態になっているか、「カニューレ」は呼吸をするときの空気の流れといびきの音を確認します。
鼻に機械を装着するのは不安かもしれませんが、痛みなどはまったくありません。
簡易アプノモニターの検査費用は、3割負担で2,160円、1割負担は720円です。
簡易睡眠時無呼吸検査-ウォッチパッド
簡易アプノモニター検査の鼻カニューレが必要ない検査として、ウォッチパッドがあります。
基本的には簡易アプノモニターから開始していきますが、カニューレをつけるとどうしても眠れなくなってしまう方や、簡易検査だけで重度の睡眠時無呼吸症候群と診断できそうな場合に使われることが多いです。
ウォッチパット ユニファイドは、2014年4月に導入された新しい検査方法で、就寝前に指にはめるだけの簡単な検査です。
この機械はいびき音の確認をカニューラではなく、首にセンサーを取り付けて行います。
ウォッチパット ユニファイドは、指につけた機械で酸素状態に加え、末梢動脈波を測定することができます。
これにより、覚醒状態と、睡眠状態(軽睡眠・深睡眠・REM睡眠)の区別をしていきます。
終夜ポリソムノグラフィ―検査
終夜ポリソムノグラフィー検査は、基本的に入院して検査を行いますが、自宅で行える検査機器も発売されています。
それぞれの違いは下記よりご確認ください。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠時無呼吸症候群の診断は、無呼吸低呼吸指数(AHI;apnea hypopnea index)で判断します。
1時間当たりの「低酸素状態になっている低呼吸」と「10秒以上呼吸が停止した無呼吸」の和を算定すること
以前は無呼吸のみを数えていましたが、呼吸が小さくなり、低酸素状態になることも問題視され、「低酸素状態になっている低呼吸」も含めて診断を行うようになりました。
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【睡眠時無呼吸症候群の診断基準】
- 正常・・・AHI:5未満
- 軽症・・・AHI:5~15未満
- 中等症・・・AHI:15~30未満
- 重症・・・AHI:30以上
睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療
CPAP (Continuous Positive Airway Pressure)は日本語で、経鼻的持続陽圧呼吸療法といいます。
鼻に装着したマスクから空気を送り、一定の圧力を気道に送りこむといった治療です。
この治療の目的は、狭くなった部分を広げるために、圧をかけて気道の通り道を確保することです。
上気道を中心に気道が狭くなってしまうと、空気が通りづらくなり、低酸素状態となることを防ぎます。
治療の効果は、行った日に実感することができます。
CPAPは空気の通り道を確保するという治療なので、根本的に治療するというよりは対症療法に近いです。
つまり、CPAPをやめてしまえば症状が再発するということになるので、治療は長期に渡り、毎月の通院が必要になります。
気になるCPAPの費用は、3割負担の方は4,350円、1割負担の方は1,450円です。(受診料は別途費用が発生します)
マスクが合わないと感じたり、圧が強すぎて眠れないという方は我慢せず、医師に相談してみるとよいでしょう。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月16日
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