ストレス多血症の症状・診断・治療

ストレス多血症とは?

血液は血球(血液中の細胞)と血漿(血液中の液体成分)に分けることができますが、ストレス多血症は血液中の赤血球の量が見かけの上で増えるという病気になります。

ストレスが原因と考えられていますが、因果関係は明確になっていません。

中年男性に多く、赤ら顔、肥満、喫煙者が多いなどの特徴を持っています。

多血症では、赤血球が増加することで血液の粘性が強くなり、細い血管を通過しにくくなります。

血管内の血流が滞り、血液がうっ滞すると血栓ができやすくなり、心臓・脳・肺などの血管が血栓によって塞がれると致命的になります。

ストレス多血症は、禁煙や生活習慣病の改善などは重要ではありますが、血漿量が減少することで見かけ上の赤血球が増加しているように見える病気になります。

ですから血液粘性そのものはかわりにくいため、血栓症などにつながることは少なく、直接的な多血症に対する治療は行わないことが多いです。

ストレス多血症の診断

健康診断などでの血液検査で以下の異常値が認められると、多血症が疑われます。

  • Hb(ヘモグロビン)の増加:男性>16.5g/dL、女性>16.0g/dL
  • Ht(ヘマトクリット)の増加:男性>49%、女性>48%
  • 循環赤血球量増加:平均予測正常値より25%増加

※ただし、全ての異常値が認められるわけではありません。必要に応じて下記の検査を行い、診断されます。

  • 血液検査:赤血球の数・形状、肝機能、腎機能、エリスロポエチン濃度など
  • 骨髄検査:赤血球が増加するような他の血液疾患の有無
  • 遺伝子検査:JAK2遺伝子変異の有無
  • 画像検査:胸部・腹部CTで、肺の状態の評価や腎疾患やエリスロポエチン産生腫瘍の有無を調べる

その上で、「真性多血症」「二次性多血症」「ストレス多血症」のいずれかに分類されます。

ストレス多血症の分類

多血症は血液中に存在する赤血球の量(循環赤血球量)によって絶対的多血症と、相対的多血症に分けることができ、JAK2遺伝子変異の有無、エリスロポエチン濃度、体液量によって、「真性多血症」「二次性多血症」「ストレス多血症」などに分類することができます。

ストレス多血症を鑑別するフローチャートをお示しします。

「ストレス多血症」では、赤血球の絶対的な量が増えるわけではなく、血液中の液体部分にあたる血漿成分が減ることで、見た目の上で赤血球が増えて見えます。

下痢や嘔吐などの体液が減少するような明らかな原因が無く、原因が生活習慣によるものとされる場合に診断されます。

ストレス多血症の特徴としては、Ht値が高い以外には検査値に異常を認めないという点があります。

Ht(ヘマトクリット)値とは、赤血球が血液中にどれくらいの割合を占めているか(%)を表す指標になります。

  • 基準値:男性 40~50%、女性 34~45%

「相対的多血症」で、脱水・下痢・発汗などで明らかに体液が減少する原因がある場合は、血液濃縮状態となります。

ちなみに「真性多血症」では、血液を造り出す骨髄に異常があり血球数が増加します。また、JAK2遺伝子変異が95%の症例で見られます。

「二次性多血症」では、骨髄に異常は無く他の疾患が原因で赤血球が異常造血されることで起きます。

体内が低酸素状態になるような基礎疾患や、血液中のエリスロポエチン濃度が増加するような疾患によるので、血液中のエリスロポエチン濃度が増加する特徴があります。

「真性多血症」も「二次性多血症」も、赤血球の量が絶対的に増加しています。

ストレス多血症の治療法

ストレス多血症では、治療が不要なことがほとんどです。

症状を改善させるためには、原因と考えられる生活習慣の改善、体重管理、ストレスがない生活を心がける必要があります。

喫煙者には禁煙を指導し、高血圧や高脂血症のある場合はその治療を行います。

カテゴリー:こころみ医学|2022年11月10日