ジャカビの適応と効果
ジャカビの適応と効果は、以下の通りです。
ジャカビの正式適応
- 骨髄線維症
- 真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)
ジャカビの効果
通常、造血幹細胞内に存在するJAKが、その下流のSTAT(signal transducers and activators of transcription)というタンパク質活性化することで核内へシグナル伝達を行い、造血幹細胞の増殖・成長を調節しています。
このJAK-STAT経路が活性化し過ぎてしまうと、多血だけではなく白血球増加、血小板増加や、髄外造血による脾臓・肝臓の腫れ、さらには骨髄の線維化があらわれます。
ジャカビは造血幹細胞内のJAK1とJAK2に強く結合してJAKの働きを阻害することにより、JAK-STAT経路のシグナル伝達を遮断します。
その結果、脾臓の腫れ(脾腫)を小さくします。また、脾腫のある骨髄線維症の方では、生存期間の延長(予後の改善)も報告されています。
ジャカビは、骨髄線維症や真性多血症であれば、JACK2遺伝子変異の有無にかかわらず使用可能です。
JACK2遺伝子以外の遺伝子変異が原因と判定された場合も、病気の成り立ちとしてJAK1やJAK2の経路が活性化されるので、ジャカビは効果を期待できます。

適用外使用
ジャカビの用法
ジャカビの用法は、以下のようになっています。
- 骨髄線維症:1回5mg~25mg1日2回、12時間毎を目安に経口投与
- 真性多血症:1回10mg1日2回を開始用量、12時間毎を目安に経口投与(最大1回25mg1日2回)
ジャカビの添付文書
ジャカビ錠 5 mg,ジャカビ錠 10 mg に係る医薬品リスク管理計画書
適正使用に関するQ&Aと臨床試験成績
ジャカビの副作用
ジャカビに特徴的な副作用は、
です。
投与開始後半年までに、多くの副作用が発現します。
感染症が多く発現するのは、ジャカビに免疫抑制があるためです。
主な副作用と頻度
日本人と外国人、骨髄線維症と真性多血症でジャカビの副作用の発現に大きな違いはありません。
副作用と思われる症状が現れたら、すぐに主治医に相談してください。
比較的よく起きる副作用(頻度5%以上)は以下の通りです。
- 骨髄抑制(貧血・血小板減少)
- 肝機能障害
- 体重増加
- 下痢
- 疲労
※手足に点状の出血、あおあざができやすい、突然の高熱などは骨髄抑制、体がだるい、食欲がないなどは重度の肝機能障害の可能性のある症状です。
良く起きる副作用(頻度1~5%未満)は以下の通りです。
- 出血性事象(挫傷、鼻出血、胃腸出血、血尿など)
- 帯状疱疹
- 尿路感染症
稀にしか起きないけれども関連性が認められている副作用は以下の通りです。
※息切れ・息苦しいは間質性肺炎、動くと息苦しい、疲れやすい、下肢のむくみのは心不全の可能性のある症状です。
ジャカビを服用される骨髄線維症の患者さんへ
ジャカビを服用される真性多血症の患者さんへ
※通常の抗がん剤で報告の多い脱毛は、ジャカビでは報告が少ないのが特徴です(1,411例中3件)。
ジャカビ特定使用成績調査(骨髄線維症)の中間集計結果
ジャカビ特定使用成績調査(真性多血症)の中間集計結果
副作用発現時期
骨髄抑制は投与後3か月間で特に多く発現しますが、減量、休薬、輸血などによりコントロール可能なので、主治医の指示に従ってください。
ジャカビ錠の薬理学的特徴と臨床成績
投与開始後半年までに多くの副作用が発現するので、投与開始から半年間は副作用の発現に注意してください。
投与期間が長くなっても副作用の増加傾向はありません。
ジャカビ特定使用成績調査(骨髄線維症)の中間集計結果
ジャカビ特定使用成績調査(真性多血症)の中間集計結果
妊娠と授乳
動物実験で胚・胎児毒性が認められたとの報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は服用禁止となっています。
また妊娠可能な女性は、投与期間及び投与終了後一定期間は適切な方法で避妊しましょう。
動物実験で本剤及び本罪の代謝物が乳汁移行し、母体血漿中濃度の13倍であったとの報告があるので、授乳も避けた方がよいでしょう。
ジャカビの添付文書