花粉症の症状・診断・治療

花粉症ってどんな病気?

花粉症とは、植物の花粉が鼻や目の粘膜に付着して引き起こされる防御反応で、体の免疫細胞が攻撃することで発症します。

花粉大国の日本では、3,000万人が花粉症であると言われていますが、その原因はスギやヒノキの花粉です。

花粉症は、内服薬や点鼻薬、点眼薬などで治療を行いますが、近年では減感作療法も広まりつつあります。

主な花粉と飛散時期

花粉症の原因となる植物の花粉には、飛散する時期がそれぞれ異なります。下記表にてご確認ください。

花粉が主に飛散する時期をまとめました。

花粉症には、季節性と通年性に種類が分類されています。

季節性は植物の花粉が飛ぶ時期のみ発症し、通年性はハウスダストやダニ、ペットの毛などにより引き起こされるので、花粉が全ての原因とは限りません。

花粉症の症状は?

花粉症は、鼻と目の症状が中心となりますが、花粉がのどの粘膜につくと、のどの痒みや痛みを引き起こします。

鼻水を吸い込み過ぎてしまい、のどに流れて咳の症状がでることもあるので、風邪とも勘違いすることもあります。

花粉症の症状を表にまとめました。

花粉症の検査と診断方法

花粉症の検査は以下の3種類です。

  • 抗原特異的血清IgE抗体検査または皮膚試験
  • 鼻水(鼻汁)中の好酸球
  • 鼻粘膜抗原誘発検査

抗原特異的血清IgE抗体検査は、採血で測定できます。

IgEというのは、花粉症の症状を起こす炎症物質のことで、原因となるアレルギー物質ごとに調べることができる検査です。

代表的なアレルゲン16個をまとめたCAP16検査が一般的で、花粉症の原因を調べることができ、それによって対策を考えていくことができます。

花粉症の治療と抗ヒスタミン薬について

花粉症は、余計なアレルギー症状を抑える対処療法が中心となります。

アレルギー症状は起こらない状態を作らないほうが悪化しないため、花粉飛散時期の1か月前頃から使っていきます。

花粉症の治療は抗ヒスタミン薬の投薬が中心となり、アレルギー反応を抑えることができます。

ですが、抗ヒスタミン薬は花粉症の症状すべてにおいて万能ではない点と、人によっては眠気が強くなってしまうデメリットがあります。

鼻づまりの症状には効果が弱く、鼻づまりで悩んでいる人には抗ロイコトリエン薬やステロイド点鼻薬を使用することが望ましいです。

花粉症で抗ヒスタミン薬以外の薬の種類と名称

花粉症の抗ヒスタミン薬以外の薬を一覧にしました。

抗ヒスタミン薬の眠気の強さを比較

中~重症の花粉症の人には欠かせない抗ヒスタミン薬ですが、眠気が気になり、飲まないという人も多いでしょう。

しかし、昔の抗ヒスタミン薬である第一世代と呼ばれるものに比べ、現在流通している第二世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬は眠気の副作用の改善がなされています。

では、第二世代抗ヒスタミン薬の効きめと眠気の比較を下記図にて確認してみましょう。

抗ヒスタミン薬の眠気と効果の比較を表にしました。

効果が高くなるほど眠気が強くなり、効果が低くなるほど眠気は弱くなっていることがわかります。

では、「眠気があると困る」人や、「眠気を抑えるよりも花粉症の症状を抑えたい」という人向けの、抗ヒスタミン薬を紹介していきましょう。

眠気の副作用が強いと困るという人は?

クラリチン・アレグラ
この2つは特に眠気の副作用が弱いので、車の運転をしたり、大事な会議があるというときに使うとよいでしょう。

とにかく花粉症の症状を抑えたいという人は?

ザイザル・アレロック・ジルテック眠気の副作用は強くなりますが、花粉症の症状を抑える効果の高いお薬です。

近年で発売された抗ヒスタミン薬

まずは、比較的新しい抗ヒスタミン薬の一覧をご覧ください。

新しく発売された抗ヒスタミン薬を表にしてご紹介します。

では、どんなお薬なのか解説していきましょう。

ディレグラ

抗ヒスタミン薬は鼻づまりの症状に対し、効果が弱いという特徴があります。
これを改善するため、アレグラにα交感神経刺激薬(塩酸プソイドエフェドリン)を配合したお薬です。※原則14日間の処方制限あり

ビラノア

ビラノアは眠気の副作用がまったくなく、効果はザイザルと同等と言われており、効果の高いお薬です。

デザレックス

クラリチンの効果をより長く保てるよう、改善されたお薬です。

ルパフィン

抗ヒスタミン作用に抗PAF(血小板活性化因子)作用を加え、鼻炎症状にも効果のあるお薬です。

難治性の花粉症の治療は?

投薬で改善されない場合、セレスタミンなどのステロイド内服薬が使われることもありますが、副作用も考えると長期での使用は避けるするべきです。

点鼻ステロイドは全身には移行しないため、まずは点鼻ステロイドを行っていきます。点鼻ステロイドとしては、

  • アラミスト
  • ナゾネックス
  • エリザス

重症喘息には、ゾレアという分子標的薬が適応にはなっていますが、高価であることと適応も厳しく、総合病院などでの治療となります。

ステロイド注射として「ケナコルト」を打たれることがありますが、副作用を考えると避けるべきです。

当院ではこれらで改善がない場合、ヒスタグロビン+ノイロトロピンの注射による非特異的減感作療法という注射治療も行っています。

花粉症の減感作療法とは

減感作療法とは、スギのエキスを定期的に投与し、スギ花粉に慣らしていくという治療法です。

減感作療法は、安全で根治に近い治療法ですが、平均で約2~7年投与し続ける必要があります。

そのため、途中で投与しなくなってしまうと、効果は現れません

この治療はスギとダニアレルギーのみ行うことができ、採血でターゲットになるアレルギーをコントロールすれば改善することを確認することが必要になります。

皮下注射の痛みが気になる人は、シダトレン(スギ)・ミティキュア(ダニ)による舌下投与を行うとよいでしょう。

ただし、下記にあてはまる人は減感作療法をできないので、事前に確認しておきましょう。

  • 12歳未満・65歳以上
  • 妊婦・授乳中
  • 重症の気管支喘息
  • 免疫系に異常をきたす全身疾患(自己免疫性疾患など)
  • 悪性疾患(癌)

効果が出づらい・副作用がでる可能性のある人

  • 非選択性βブロッカー
  • 三環系抗うつ剤
  • モノアミン阻害薬
  • 全身性ステロイド薬

減感作療法は、根本的な花粉症の治療ができるので、時間はかかりますが、おすすめしたい治療法です。

【花粉症についてさらに詳しく知りたい方へ】

花粉症について(元住吉院HP)

カテゴリー:こころみ医学|2022年11月6日